■■後処理によるToon表現■■


アニマスで一般的に使われる明度を指定するトゥーンレンダリング手法は指定が簡単なのですが、
元の色の明度を変えるだけなのでグレー成分が増えがちで色がくすむ問題があります。
参考図は肌色の色選択法則(推測)ですが、ちょっと選択範囲が良くありませんね。



参考までに肌色のグラデーションを僕が2DCGを描く場合と比較してみましょう。
無意識のうちにですが拡散光を考慮した色シフトを行い色に厚みを作っています。
それに比べるとアニマスのグラデーションは単調ですね....

アニマスの選択するグラデーション(推測)
僕が普段使用するグラデーション

もちろんアニマスでもそこは考慮しており、色を指定するグラデーションは設定可能です
しかし
影との相性が悪かったり、テクスチャが使えないというあまりにも大きな問題があります。

このようにアニマスのトゥーンは細かい所を考えると意外に面倒なのですが
静止画に関して考えればたいした問題でもないです。
PhotoShopを使って後処理でやっちゃえば良いのです。

アニマス基本機能によるToon

普通のToonによる設定。
影の部分の彩度が下がり、微妙にくすんでいますね。

また、この絵はアンビエンスで影を調整しています。
普通にやると影が濃く出過ぎたりしますので注意してください。

★後処理によるToon

赤味が差した影のおかげでクッキリとしています。
また、このサンプルでは無理にハイライトを強めにしていますが
色の調整は自在でエフェクトも可能です。

原理はこういう感じ。

つまりアニマスでは明度毎の画像とマスクをつくり、それをPhotoShop上で合成するのです。


まず明度毎の画像はオブジェクトのカラー自体を変更します。
テクスチャも明度毎にに別のものを用意します。

カラー設定例 デカルサンプル



マスクの作成には、サンプルのような
白と黒の色指定で作成したグラディエントを使用します。

ハイライトマスク用

シャドウマスク用


必要なら数種類用意しても良いですね。

ライトやレンダリング設定は以下のとおり。

  パート名 ライト設定 オブジェクト設定 PhotoShop設定 レンダリングモード
ディフューズ シャドウ スペキュラ フラットシェード
基本色 ON OFF OFF ON 通常 Standard
明色 ON OFF OFF ON

通常

レイヤーマスク
明部マスク

Standard
暗色 ON OFF OFF ON

通常

レイヤーマスク
暗部マスク

Standard
線画 ON OFF OFF OFF 乗算 Lines Only
カメラ背景色=白
ハイライト OFF OFF ON OFF スクリーン Standard
暗部マスク ON ON OFF OFF レイヤーマスク

Toon

明部マスク ON OFF OFF OFF レイヤーマスク

Toon

面倒くさいと思われるかもしれませんが、カラー設定をすべてテクスチャにして色換えのときにテクスチャを丸ごと入れ替えるとか
ポーズにデカルやサーフェースカラーを登録して変更するなどすればレンダリングは簡単です。
僕はポーズに登録してフレーム毎に明度を変える事で3枚の画像を一気に出力できるようにしています。

画像が出来たら上記のレイヤー設定を参考にPhotoShopで合成しましょう。

なお、合成方法は他にも色々あるので工夫してみて下さい。
後処理だとこのあたりもいじれるのが利点ですね。
また、
パート毎に色制御も簡単なので気に入らない部分は色調調整をやっても良いのではないかと。
あと、
トゥーンだとほとんど使い物にならないZバッファシャドウもちゃんとつかえます。

これはZバッファでエアブラシ風に作成したものです。


なんだかPhotoshop使いまくりなのでズルイとか思うかもしれませんが。
3Dソフトがやるか2Dソフトでやるかだけの違い
なので、僕はどうでもいい気もします(苦笑)

また、作業も文章で書くと長いですけどレンダリングを含めて1-2時間もあればできます。
特に本来はテストレンダをひたすら繰り返す所を部位毎の修正で直せるし、
融通も効くので実質的に作業性では劣らないはず.....だと思うんですけどね。どうでしょ。



AfterEffectsで同様の処理にて動画の作成が可能な事を確認しました。
合成の手間はたいした事無いのですが、
レンダリング時間がトータルで普通の3〜4倍なので、長いものには使えないかも。